理解できなくていい Again

ノーカントリー」からのコーエン兄弟つながりで、「ファーゴ」を鑑賞。女警官が最後に漏らす一言、'I just don't understand it.'(理解できないわ) に思いが集約されている感じ。ノーカントリーと根底にある思想が近い気がする。ただ、強烈にそれが伝わってきたというよりは、ノーカントリーを見た後だったから、気づけたのかもという感じ。
殺人鬼も、でっち上げ誘拐で身代金をがめようとするおじさんも、虚言癖のある日系アメリカ人も、理解不能として処理するしかないと思えるのだけど、もしノーカントリーを見ていなかったら、その境地に至れなかったかも。「この映画ヤダ…」って拒絶していた可能性が高い。

いずれにしても、でっち上げ誘拐のような一大計画なのに、首謀者のおじさんの考えが浅くて頼りなくて、その感じを完全に醸し出しているウィリアム・H・メイシーの演技が素晴らしいと思った。あと、ミネソタ州の雪深い景色やレストランやバーのシーンを見ていたら、アメリカも旅してみたくなった。そもそも車社会、銃社会という、日本(主に都市部)とは環境が違いすぎて、気軽に旅する範囲を超えているのだけど、だからこそ異国として惹かれるものがある。文化としてはたくさん影響を受けているけれど、やっぱり遠い国だよなぁ。

バイキング形式のレストランで、女警官とその夫が、ポテトサラダや肉だんご、グラタンぽいものやらをたんまりと盛り付けて、もぐもぐ食べるシーンとかすごい美味しそうで、普通な感じがして、変な人だらけの中、安心して見れる好きな場面だった。
グアムのホテルで、ディナーバイキングをしたとき、あんな感じだったかも。国際情勢が落ちついてきたら、またグアム辺り行ってみたいな。

ファーゴ (字幕版)