'undateable'ではいたくないから

少し前のことだけど、アンドプレミアムの2018年5月号で、「フランシス・ハ」の主人公フランシスが、「ワーク・イン・プログレスな女性」として紹介されていた。つまり、自分の目指すものを手に入れようと努力しつづけている女性、ということらしい。
主人公を演ずるグレタ・ガーウィグを始めて知ったのは、2017年のアカデミー賞。女優なのに、監督、脚本にも手を出しているパワフルな女性、という印象が残っていた。どんな女性なのかな?フランシスにも、グレタ・ガーウィグ自身にも素朴に興味がわいた。

映画をみはじめて、はじめフランシスが痛々しすぎて、見てられない感じ。ニューヨークでプロのダンサーを目指しているけれど、全然芽が出ないし、恋人やルームメイトとの関係もうまくいかず、、、ただの夢追い人が、無いものねだりをしているような感じと言えばいいのか。

男友だちから'undateable'(非モテ)だよと言われていて、自分でも自身をそう表現したりしている。

この無いないものねだりって、よくある状況かもしれない。憧れの地位や人間関係があっても、ただ欲しいと思っているだけで、具体的に獲得する努力をしていない状況。むしろ努力しない言い訳をしたりしている。(「時間がない」とかが多いかな、わたしの場合。)

そんな人って確かに魅力的じゃないし、ほんと'undateable'(笑)、いっしょにいてもつまらないかもなぁと妙に納得してしまった。

フランシスは、最後、夢見たダンサーではないけれど、遠回りしながらも、かろうじてダンスの世界に身をおき、第一歩を踏み出す。
現状が満足できる人なんて早々いない。だから、もがき続けてひとつずつ獲得していくしかない。例えば、仕事で必要だけど知識が足りてない分野の勉強をする、とか、憧れの作家の本の感想を書いてみる、とか…本当に小さな小さな一歩から。

つい近道したくなるけれど、、、でも、フランシスを見ていて、やっぱりもがくしかないし、今の自分のやり方で間違っていないと思えた。がんばろう。

フランシス・ハ(字幕版)