英語多読12:Cathedral

レイモンド・カーヴァーの大聖堂をやっと読み終えた。原書で読んだのでだいぶ時間がかかってしまったが(途中休みつつ、多分一年以上?)、読めて本当に良かった。村上春樹の翻訳にも惹かれつつ、でもせっかくなので村上色に染まったものではなく、オリジナルに触れたかったので。

 

特に好きだったのは、"A Small, Good Thing", "Where I'm Calling From", "The Bridle"あたり。刺さった言葉は、"The Bridle"に出てくる、"Dreams, you know, are where you wake up from."だと思う。夢とは見るものじゃない。叶えるものじゃない。そこから醒めるもの。そういう意味だと受け取った。

 

"The Bridle"は、アパート貸しと美容院で生計を立てているマージという女性が、ミネソタから移住してきた家族について語る話。夫と妻、男の子二人のこの四人家族に、マージはアパートを借すことになる。ある日、妻が美容院の方にもお客としてやってきて、マージは髪やネイルのお手入れをしてあげる。上の台詞は、そのお手入れ中に、妻が言う台詞なのだが、この文脈でこの台詞かよ・・・とかなり衝撃を受けた。

 

タイトルの"bridle"は、馬がつける「くつわ」という意味で、その意味通り話にも「くつわ」が登場するのだけど、あとから辞書で調べてみたら、「束縛するもの」という別の意味もあるらしい。そして、この短編では、二重の意味でこのタイトルが付けられているのもすごい点だと思う。

 

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