A Good Year

プロヴァンスの贈り物(原題: A Good Year)をみた。原題は、ワイン作りでの「当たり年」の意味であるらしい。ラブストーリーだけど、女性向けのラブコメではなく、男性も楽しめる内容なのではないかと思った。ラッセル・クロウ扮する主人公の男が、都会でのビジネスマンとしての暮らしと南仏でのゆったりした暮らし、どちらを選択するかという話。都会での暮らしに偏っている身としては、南仏でのワイナリーでの暮しに憧れを抱かずにはいられない。 

肝心の恋愛部分では、こんな男と恋愛したいとははじめは思わなかった。ちょっと風変わりで癖のある独身男なのである。一方、マリオンは、一筋縄ではいかない気の強そうな女だけど綺麗。という感じがよく出ている。

好きだったのは、水辺にある屋外レストランでふたりが夜ごはんするシーン。水辺にはキャンドルが浮かべられ、古い映画が移し出されるスクリーンと音楽の生演奏を背景に、皆、お酒や食事を思い思いに楽しんでいる。途中で突然雨が降ってくる感じもまたよし。

男はアクの強い男かもしれない。でも屋外レストレランでワインを飲んでいて、少し酔っていて会話が楽しかった。そして雨で濡れたら、男も女もよく見える。十中八九、恋に落ちたと錯覚する気がする。そんな一瞬が人生で一度でもあれば、いいんじゃないかな、と思える素敵なシーンに仕上がっていると思う。