英語多読10:Careful

レイモンド・カーヴァーの短編集”Cathedral"の中から、"Careful"を読んだ。「大聖堂」と言う邦題で翻訳もあるので、安心感を持ちつつ原書で読み進めている。大聖堂は、アルコール依存や、壊れた親子関係などをテーマとした短編で構成されていて、"Being alone was the thing he needed most."みたいな暗めな表現が続く。なので、単に英語の勉強をしたい場合は、もう少し別の本を探した方がいいかもしれないと思う。「一人になりたい」みたいなことは、まずは(誰かに)話せるようにならなくていいと思うのだ。先に、一緒にいたい、と言えるようになりたい。一人になりたいと言えるようになるのは、その後でいい。個人的にはそう思う。

 

"Careful"は、アルコール依存症の男が、依存から立ち直ろうとしているが、全くその思いと実態が伴わない話。ぐだぐだな男の状況に「なんなの、これ、、」と戸惑いつつ、何であれ、自制心というものが失われていく過程をが良く表現できている話だと思った。ある朝、コーヒーを飲む気が起きず、ドーナツとシャンパンで朝ごはんをして、あり得ない朝ごはんの組み合わせに笑ってしまったというエピソードが出てくる。そしてこのように続くのだ。

 

Then he remembered eating those doughnuts and drinking champagne. Time was when he would have considered this a crazy thing to do, something to tell friends about. Then, the more he thought about it, the more he could see it didn't mattter much one way or the other. He'd had doughnuts and champagne for breakfast. So what?

 

このようにして、人間は落ちるところまで落ちていくんだろうな、と空恐ろしくなる。