沢木耕太郎のMIDNIGHT EXPRESSを聴いて

昨夜、沢木耕太郎のMIDNIGHT EXPRESSを聴いていた。12/25の深夜の放送を後追いで。年末、仕事納めをして少しほっとしたタイミングで聴くと、沢木さんの声や語る内容がじわっと身体に入ってくる感じがして、後追いで聴くスタイルが個人的には気に入っている。

 

沢木さんは、長年、悪戦苦闘し、取り組まれていた一つの作品を仕上げられた後で、とても晴れやかな気持ちでいらっしゃるようだった。放送当日の日中、ご自身の住まいから真っ白な富士山が見えて、放送直前のスタジオからは、ライトアップした東京タワーの全体が見えて、どちらもすごく綺麗で、そう見えるのは、ただ美しいからというだけではなくて、一つの作品を作りあげて、幸せな心持ちでいることも関係している。番組はそのような語りで始まり、その話をされた理由が、最後まで聴いてすごくよくわかった。

 

沢木さんがおっしゃる「最後の一行を書く」ということ。つまり、とにかく何であれ、もがきながらも、何かを作り最後までやり遂げていくと、とても幸せな気持ちになるのだ、ということ。批評する側ではなく、作る側でいるということ。そのメッセージが全体を通して聴いて、すごくよく伝わってきた。来年は、自分もその幸せな気持ちを味わいたいなぁと思う。

 

沢木さんが仕上げた「天路の旅人」という、とある旅人に関するノンフィクションを来年読んでみたいし、昨年旅をされたという、バンコクやスコータイにも行ってみたくなった。わたしは、タイ料理が好きなので。